No.1調査の進め方と考え方(9) 調査方法や項目と規制

比較広告ガイドライン

No.1調査は他社の製品・サービスと比べて自社をNo.1(優位)とすることから、比較広告の一種である。
消費者庁では比較広告についてガイドラインを定めている。
名称は、「比較広告に関する景品表示法上の考え方」である。

景品表示法や特定商取引法の表現より、このガイドラインの方がどんな調査がだめなのかわかりやすい。
このガイドラインによると、比較広告が不当表示にならないためには、一般消費者に誤認を与えないようにするため、以下の3つの要件全てを満たす必要がある。

  1. 比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること。
  2. 実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること。
  3. 比較の方法が公正であること。

このガイドラインを見て、個別の製品・サービスのNo.1調査の調査方法や調査項目を企画しようとすると、それはそれで悩ましいことがでてくるが、判断の目安にはなる。

調査方法とガイドライン

調査方法に関連することは、1番に記載がある。
例えば、No.1の比較対象には競合製品・サービスは入れる必要がある。そのためには調査の時点で競合製品・サービスを網羅的に把握しておく必要があるだろう。
個人的には市場においてシェアがほとんどないと思われる製品・サービスは比較対象に入れる必要はない、と思うが、シェアがほとんどないと判断する明確な材料は用意しておいた方がよいだろう。
また、ガイドラインには一般消費者調査を行う場合、サンプル数や対象地域はその製品・サービスによって異なる、といった記載がしてある。
そして、実際に調査をする場合、サンプル数がどの程度が妥当なのか、社会通念上妥当と考えられる方法とはなにか、の判断は難しい。
これについては、統計の専門家や他のNo.1調査のサンプル数などを参考にするという方法はある。

参考:「1.比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること。」の内容

実証が必要な事項の範囲は、比較広告で主張する事項の範囲です。

実証は、確立された方法がある場合はその方法で、ない場合は社会通念上妥当と考えられる方法などによって、主張する事実が存在すると認識できる程度まで行われている必要があります。

調査項目とガイドライン

調査項目に関連することは、3番に記載がある。
例えば、満足度調査で性能や機能について細分化した質問項目を設けたとして、それが、製品・サービスと関係ない項目にはしないほうがよいだろう。また、無料サービスのユーザー数と有料サービスのユーザー数を直接比較するといったこともしないほうがよいとわたしは思う。
これらはガイドラインに書かれるまでもないことのようにも思えるが、No.1調査のようにどうしても結果が欲しい調査の場合、深く考えず、あるいは考えに考えた末にこういった調査項目を入れてしまいたくなる場合がある。
そんな時は、社内の人たちと再度このガイドラインをみて、調査項目を検証するのがよいのではないだろうか。

また、ガイドラインには、「おそれがあります」と書かれており、必ず不当表示となるわけではない、というところも調査項目を作成する際の難しいところだ。
社会通念上同等のものと認識されているかどうか、判断に迷う調査項目もあるだろう。
そんなとき、調査の調査項目として入れるのはかまわないのではないだろうか。一回調べてみる、というのは調査としてはよいことだ。
ただし、公表については熟考した方がよいと思う。
「どっちかな?」と思う事項は、だいたいにおいて悪い結果になりがち、というのがわたしの個人的な意見だ。

参考:「3.比較の方法が公正であること。」の内容

特定の事項について比較し、それが商品・サービスの全体の機能、効用等に余り影響がないのに、あたかも全体の機能、効用等が優良であるかのように強調する場合、不当表示となるおそれがあります。

社会通念上同等のものとして認識されていないものなどと比較し、あたかも同等のものとの比較であるかのように表示する場合、不当表示となるおそれがあります。

表示を義務付けられており、又は通常表示されている事項であって、主張する長所と不離一体の関係にある短所について、これを表示せず、または明りょうに表示しない場合、商品全体の機能、効用等について一般消費者に誤認を与えるので、不当表示となるおそれがあります。

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