完璧な調査より「ビジネスの成功」を!粗くても方向性を間違えないための手法と組み合わせ

市場調査の計画を立てる時、誰もが「もっと予算があれば」「もっと時間があれば」という壁に突き当たります。
完璧なデータを集めたい気持ちは分かりますが、ビジネスにおいて最も重要なのは、調査そのものではなく「そのビジネスを成功させること」です。
30年のキャリアを通じて私が学んだのは、限られた制約の中でいかに手法を組み合わせ、相手が納得できる「納得感のある根拠」を導き出すかという技術です。
今回は、複数の手法を組み合わせる相乗効果と、プロが実践している「前向きな妥協」の考え方についてお話しします。

調査手法を「組み合わせる」ことで精度を上げる

公開情報 × ヒアリングで情報の厚みを出す

調査結果を誰に見せるか、どんな結果を見せるかが決まり、かけられる費用と期間が設定できたら、調査設計において必要な調査方法を組み合せる。
ある程度の費用と期間があれば、複数の調査を組み合わせることで、見せる結果の精度もあがる。
例えば、公開情報収集である程度市場について知見を得てから、ユーザーヒアリングやアンケートを実施するという方法もある。
有識者ヒアリングを行ってから、公開情報収集やユーザー調査を行う方が、短期間に密度の濃い情報を収集できる場合もある。
それぞれの調査方法の特徴をふまえ、費用と期間から、最適な組み合わせを検討することをお勧めする。調査を実施できる人手が複数人いるのであれば、手分けして同時並行で実施することも可能である。

「制約」と向き合い、戦略的に「妥協」する

「妥協」という言葉にちょっと後ろめたさを感じる人もいると思います。
でも、ビジネスの現場ではこれが「前向きな決断」につながることも多いですよね。市場調査も同じです。

完璧な調査ができない時、どう考えるべきか

それぞれの調査方法には長所、短所があり、表せる結果も異なる。
しかし、欲しい結果が明らかであっても、かけられる費用と期間には限りがあり、完璧な情報を集められないということはよくある。
どんな市場調査でもなんらかの制約があり、妥協しなければならないことの方が多い。
妥協しながら欲しい調査結果に少しでも近づくために、調査方法について検討や工夫を行う必要がある。

相手が本当に求めているのは「精緻なデータ」か「方向性」か

検討時に考えてほしいのは、見せる相手が本当に求めているものはなにか、ということだ。もちろん精緻な調査、十分な根拠に基づいた調査を期待はしているだろう。
だが、当たり前のことだが、ビジネスの最終目標は調査ではなく、そのビジネスの成功である。ビジネスの決定の場では、精緻な調査ができないので、結果を出せません、といわれるよりは、現時点では粗い調査方法だが、方向性は間違っていない、という方がよいという場面がある。

方向性を間違えないためには、見せる相手が求めているものはなにか、をしっかりと把握しておく必要がある。

まとめ:ビジネスの成功を最優先に考えよう

市場調査の準備をしたり、実際に調査をしていくと、どうしても足りないデータややり残したことがでてくる。さらに実施している本人はビジネスに想いがあればあるほどのめり込んでいきやすい。
しかし、市場調査に求められているのは「ビジネスの成功」だ。ビジネスの成功が最優先なのだ、と調査の最中はなんども自分に伝えることをお勧めする。

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