市場調査ってどうやるの?起業時に知っておきたい市場調査入門(11) 有識者アンケートでわかること

有識者とは

有識者(ゆうしきしゃ)とは、このブログでは調査で知りたいことについて専門的な知識を有する人を指す。
主には製品やサービスを提供している会社で働いている人や代理店など関連する会社で働いている人、専門職種(医者や薬剤師等の一定の業界での資格保有者)、学者、研究者が適当であると考えている。
働いている人、資格がある人ならだれでもよいわけではなく、一定の知識が得られる立場にある人がよい。例えば営業担当でも戦略を考えている人、開発の場合も責任者かそれに準ずる人がよいだろう。

有識者であれば、市場規模や予測について意見を聞くことも可能である。市場が拡大傾向にあるのか、阻害要因はなにかといった市場の全体像が把握できる。意見がバラバラであっても、そのバラバラ自体が参考になる。見通しがはっきりした市場なのか、そうでないのかの理解を得ることができる。

アンケートで多くの有識者の意見を得ることができると、かなり説得力のある資料を作成することができる。

有識者アンケートの留意点

有識者アンケートを実施する場合、一般消費者向を対象としたアンケートよりもどんな回答のメリットが回答者にあるのかを示す必要がある。金銭的な謝礼だけでなく、回答結果の集計をわたすといったことも行われることが多い。

アンケートの質問内容そのものも有識者の関心を引くものである方が、協力は得やすい。
有識者の多くは忙しく、中には気難しい人もいる。アンケートの質問内容は、聞き手の知識の深さを表してしまう。この程度の知識の持ち主の質問に回答する気になれない、と思わせることは避けた方がよい。逆に、よい質問内容であれば、回答結果を得られるだけでなく、ビジネスの次の展開の協力が得られる場合もある。

有識者アンケートを行うには、有識者に直接回答を依頼できるリストを持っている方がよいだろう。自身のビジネスのネットワークづくりにもつながる。

いわゆるインターネットリサーチの登録者にも有識者はいるが、個人的な意見では、アンケートの最初の方で実施する選別質問を精査し、かなり慎重に対象者を選ぶ必要がある。有識者レベルではない人の回答を避けるためである。

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